今回は BTCの採掘原価の出し方についてまとめてみました
BTCの採掘原価を正確に予測することは困難ですが、およその値は調べる事ができます
採掘原価とは?
採掘原価とはなにか?
それはBTCをマイニングする上でかかる総コストの事です
マイナーは市場価格より安くBTCを採掘し、その値段差で利益を上げています
しかし、市場価格<(採掘費+運用コスト)となるとマイナーは儲かりません
つまり、マイナーの損益分岐点価格が採掘原価となります
採掘原価は、
- 採掘難易度(Difficulty)
2週間に1回調整されるブロック形成における難易度
ハッシュレート(1秒間辺りの計算量)の増減が影響 - 運用コスト
(機械代、電気代、人件費、税金etc.)
この辺りの影響を受け変化します
2019年現在、マイナーは電気代の安い中国に集中しており、
ハッシュパワーの70%を中国が握っていると言われています
→Top 5 Biggest Bitcoin Mining Farms In the World
採掘原価を簡単に調べる方法
では、採掘原価を調べていきます
求めるのは2019年9月現在、
一番大きいハッシュパワーをもつBTC.comの採掘原価です
ハッシュレート分布状況

そして、今回使用するのはBTC.comの計算ツールです
ツールでは、 以下が自動で入力されています
- マイニング機の性能
- 電気代
- 採掘難易度
- 1年間の推定採掘利益率
採掘原価は赤枠部分を変更し
収益率の値が100%になるよう 値段を調整します
ここで求めた値段が採掘原価となります
例

現在の採掘原価を考慮して価格を見ると
サポートとして機能していることが分かります
BTC/USD

採掘原価を下回るとどうなるか?
市場価格が採掘原価を割っても、
マイナーがすぐにマイニングをやめることは無いでしょう
(すでに下落に対するヘッジをかけてると思います)
赤字経営:利潤=-運用コスト
という状態が長期間続くと、撤退せざるをえない企業も出てくるかもしれません
そして、採掘原価を下回ると、マイナーからの売り圧力が小さくなる事が予測されます
理由は簡単で、仕入れ値よりも売る値段が安くなるからです
ただし、長期間 下回り続けると
採掘原価が、サポートからレジスタンスに変わる傾向があります
中国のマイナーたちは、利益を海外に送り、政府の資金規制から切り離すという、別の動機もあるため、マイニングを続けるだろう
という意見もあります( CNBC)
最後に..半減期を迎えるBTC
以上が簡単に採掘原価を求める方法となります
さいごに…
BTCは2020/5/17に3回目の半減期を迎えます
半減期とは、マイナーが10分間に掘るBTCの量が半分になることで、
今回は、12.5BTC→6.25BTCになります
つまり、希少性の増加+マイナーによる売り圧力低下=価格上昇圧力(インフレ圧力)
となる傾向があります
過去2回のBCT半減期価格推移

ハッシュレートとBTC価格の推移

力強いハッシュレートの増価をみると
マイナーたちは半減期を迎えるビットコインに対して、
相当な強気スタンスでいると言えるのではないでしょうか。